この記事の要点
- 内閣府科学技術・イノベーション推進事務局が、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律施行令」の一部改正案について意見を募集しています。
- 改正案では、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)について、現在の出資対象に加え、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第34条の6第1項第2号に当たる「資金供給等事業を行う者」への出資を追加する案が示されています。
- 背景として、AI・半導体、量子、バイオなどのディープテック分野の技術シーズについて、民間ベンチャーキャピタル等との協働によるファンドを通じた出資を可能にし、出資規模の拡大や伴走支援機能の強化を図ることが説明されています。
- 意見募集期間は2026年6月30日から2026年7月29日までです。e-Gov、郵送、電子メールで提出できます。電話での提出は受け付けられません。
- 政令案は確定した法令ではありません。今後の最終的な決定や施行時期など、公式資料で確認できない事項は未確定です。
案件の詳細は案件ページで確認できます。ほかの案件は案件一覧、新しい募集を受け取りたい場合は新着通知をご覧ください。
何について意見を募集しているのか
今回の対象は、e-Govの案件ページに掲載された「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律施行令の一部を改正する政令案」です。行政手続法に基づく意見公募手続として、2026年6月30日に案が公示され、同日から意見の受付が始まりました。
根拠として示されているのは、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)と、同法施行令(平成20年政令第314号)です。意見公募要領では、同法第34条の6が、実用化とイノベーション創出を特に必要とする研究開発成果を保有する研究開発独立行政法人について、個別法の定めるところにより出資等の業務を行うことができる旨を規定していると説明されています。
背景:産総研の技術シーズをめぐる制度上の課題
意見公募要領によると、産総研は、施行令別表第2において、法第34条の6第1項第1号に当たる成果活用事業者への出資と、第3号に当たる成果活用促進者への出資の対象として定められています。
一方、産総研の研究開発成果には、AI・半導体、量子、バイオなどのディープテック分野の技術シーズが含まれており、意見公募要領は、これらについて実用化によるイノベーション創出を図ることが特に望まれるとしています。
資料では、現行制度の第1号に基づく直接出資だけでは、出資規模や伴走支援体制に構造的な制約があると説明されています。また、第3号の出資対象は、技術移転などによって成果活用を促進する者であり、産総研の研究成果を社会実装するための出資業務を行う者ではないため、ディープテック分野のスタートアップを支援するベンチャーキャピタルやファンドへの資金供給に十分対応できない状況とされています。
今回の変更案
改正案は、施行令別表第2における産総研の出資対象を変更するものです。現在は、法第34条の6第1項第1号及び第3号に掲げる者に対する出資、並びに人的・技術的援助が示されています。改正案では、これを同項各号に掲げる者に対する出資、並びに人的・技術的援助とする内容が示されています。
つまり、資料上は第1号と第3号に限られていた出資対象を、同項各号に広げる形です。参考資料では、追加されるものとして第2号の業務である「資金供給等事業を行う者への出資」が説明されています。
参考資料には、追加される第2号出資の例として、ベンチャーキャピタル会社、またはその会社が中心となって組成する「スタートアップに投資するファンド」への出資が示されています。また、そのファンドは、産総研の出資額以上を産総研発スタートアップへ出資するものと説明されています。ただし、これは参考資料に示された制度案の説明であり、政令案が確定したことを意味しません。
この変更により、資料は、産総研の技術シーズを活用するスタートアップの創業や事業化といった成長を支援し、産総研の研究開発成果を社会実装につなげることを目指すとしています。実際にどの事業者・ファンドが対象になるか、出資の具体的な条件や運用方法、改正後の実績については、提示された公式資料だけでは確認できません。公式資料で要確認です。
現行制度と改正案の比較
| 項目 | 現行の資料上の整理 | 改正案の資料上の整理 |
|---|---|---|
| 対象となる法人 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
| 出資対象 | 法第34条の6第1項第1号及び第3号に掲げる者 | 同項各号に掲げる者 |
| 追加される内容 | 第2号は記載なし | 資金供給等事業を行う者への出資を追加 |
| 想定される仕組み | 産総研発スタートアップへの出資、成果活用促進者への出資 | ベンチャーキャピタル等との協働によるファンドを通じた出資 |
| 具体的な運用 | 提示資料だけでは確認できない | 対象者・条件・開始時期は未確定。公式資料で要確認 |
影響を受ける可能性がある人・組織
直接関係するのは、産総研の研究開発成果や技術シーズの事業化に関わる組織です。具体的には、産総研発スタートアップ、産総研の技術を活用する事業者、ベンチャーキャピタル会社、スタートアップ投資を目的とするファンド、産総研の研究成果の技術移転や活用促進に関わる者などが考えられます。
ただし、「誰が必ず出資を受けられるか」「どのファンドが対象になるか」「応募や審査が行われるか」といった制度利用の詳細は、source_excerptにある資料では確認できません。制度案の対象範囲と、個別の出資判断は分けて確認する必要があります。
研究機関、大学、スタートアップ支援者、投資関係者など、研究成果の社会実装や公的研究機関の出資制度に関心がある人は、改正案本文と新旧対照条文、参考資料を確認したうえで意見を提出できます。
意見を提出するときの確認点
意見の提出期限は、2026年7月29日です。e-Govの案件ページに示された受付締切は2026年7月29日23時59分です。意見公募要領では同日必着とされています。郵送の場合は必着条件に注意してください。
提出方法は次の3つです。
- e-Govの意見提出フォーム
- 郵送
- 電子メール
郵送先は、〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 内閣府科学技術・イノベーション推進事務局 イノベーション推進担当です。電子メールの場合は、意見提出用紙を添付し、sbir_csti.k3z@cao.go.jp宛てに送ります。メール件名は「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律施行令の一部を改正する政令案に対する意見」とされています。電話での意見提出は受け付けられません。
意見提出用紙には、氏名、連絡先、意見を記入します。企業・団体の場合は企業・団体名、部署名、担当者名を記載します。意見は、該当箇所、意見内容、理由を分け、可能であれば根拠となる出典を添付または併記します。
提出意見は、氏名、住所、電話番号、メールアドレスを除き、すべて公開される可能性があります。個人を識別しうる記述や、個人・法人などの財産権等を害するおそれがあると判断された箇所は、公表時に伏せられる場合があります。提出した意見への個別回答は行われないとされています。
用語解説
科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律
研究開発成果の実用化や、それによるイノベーション創出の促進に関係する法律です。今回の意見公募要領では、第34条の6が研究開発独立行政法人の出資等の業務に関係する条文として示されています。
成果活用事業者
今回の資料では、法第34条の6第1項第1号の出資対象として示されています。個別の定義や要件は、提示されたsource_excerptだけでは確認できません。
資金供給等事業を行う者
法第34条の6第1項第2号の業務に関係する者です。参考資料では、ベンチャーキャピタル会社や、スタートアップに投資するファンドが例として示されています。
成果活用促進者
法第34条の6第1項第3号の出資対象として示されています。資料では、技術移転等により成果活用を促進する者と説明されています。
FAQ
Q1. この政令案はすでに決まった制度ですか?
いいえ。今回の資料は意見募集の対象となる政令案です。最終的な決定内容や施行時期は、提示された公式資料だけでは確認できないため、未確定です。
Q2. 誰でも意見を提出できますか?
意見公募要領は「広く国民の皆様」から意見を募集するとしています。提出時は、意見提出用紙に氏名、連絡先、意見などを記入し、指定された方法で送付します。
Q3. いつまでに提出すればよいですか?
2026年7月29日までです。e-Govでは23時59分が受付締切として示され、郵送では7月29日必着とされています。
Q4. 電話で意見を伝えられますか?
電話での意見提出は受け付けられません。e-Gov、郵送、電子メールのいずれかを利用してください。
Q5. 改正後、どのスタートアップが出資を受けられますか?
提示された資料では、制度として資金供給等事業を行う者への出資を追加する案が示されていますが、個別の対象スタートアップや採択条件までは確認できません。公式資料で要確認です。
Mermaidで見る制度案の変更
flowchart LR
A[現行制度] --> A1[第1号出資]
A --> A2[第3号出資]
B[政令案] --> B1[第1号出資]
B --> B2[第2号出資を追加]
B --> B3[第3号出資]
B2 --> C[VC会社・投資ファンドへの出資]
C --> D[産総研発スタートアップへの資金供給]
D --> E[研究開発成果の実用化・社会実装]
公式資料
提出を検討する場合は、政令案本文と新旧対照条文で該当箇所を確認し、制度の対象範囲、出資対象の追加内容、運用上の疑問点などを具体的に記載してください。案は未確定であるため、意見は確定した制度への評価ではなく、提示された改正案に対する意見として整理することが重要です。