この記事の要点
- 資源エネルギー庁は、一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則の一部改正省令案と、同規則第27条等に基づき経済産業大臣が定める額の一部改正告示案について、意見を募集しています。
- 改正案では、需給ひっ迫時に適用される補正インバランス料金について、価格設定の見直しと、一定期間に高額な電力調達が続いた場合に上限価格を一時的に引き下げる「累積価格閾値制度」の導入が示されています。
- 意見募集期間は2026年6月30日から2026年7月29日23時59分までです。郵送の場合は同日必着とされています。
- 施行日は2026年10月1日が予定されていますが、今回の資料は案であり、最終的な内容や施行は確定していません。
案件の原文や提出先は、案件ページで確認できます。ほかの案件は案件一覧、新着案件の通知は新着通知をご覧ください。
背景:インバランス料金制度とは
意見募集要領によると、計画値同時同量制度の下では、系統利用者が実需給前に提出する計画と、実際の発電・需要実績との差分である「インバランス」を、一般送配電事業者が調整電源を用いて調整します。その調整に関する対価の精算方法が、インバランス料金制度です。
現在の制度は2022年度に導入され、「2022年度以降のインバランス料金制度について(中間とりまとめ)」として整理されています。今回の改正案は、電力・ガス取引監視等委員会の制度設計・監視専門会合における議論、中間とりまとめの改定案、同委員会から経済産業大臣への建議などを踏まえたものです。概要資料では、2026年3月27日の次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会で報告・審議され、了承されたと説明されています。
今回の変更案
1. 補正インバランス料金の価格を見直し
補正インバランス料金は、需給ひっ迫の度合いに応じてインバランス料金を上昇させる仕組みです。概要資料では、補正料金算定指数に応じた価格のうち、補正料金算定指数が3%の際の価格であるCの値、つまり上限価格を、当面の間300円/kWhとする案が示されています。沖縄電力の供給区域では予備力8万kW、それ以外の供給区域では広域予備率3%が対応する指標とされています。
また、補正料金算定指数が8%の際の価格であるDの値は、当面の間50円/kWhとする案です。沖縄電力の供給区域では予備力29万kW、それ以外の供給区域では広域予備率8%が示されています。各価格は補正料金算定指数に応じて一次関数的に連続する料金カーブとして整理され、規則と告示の表・算式を改正するとされています。
2. 累積価格閾値制度を導入
概要資料では、高額な電力調達が一定期間以上連続した場合に、小売電気事業者において不足インバランスが不可避となることがあり得るとして、一時的に補正インバランス料金の上限価格を引き下げる制度の導入が示されています。
案の内容は、対象日の直前7日間において、スポット市場価格のエリアプライスが200円/kWh以上となったコマ数が累積30コマに到達した場合に、閾値に到達した翌日から補正インバランス料金の上限価格を100円/kWhとするものです。沖縄エリアでは、指標をインバランス料金とするとされています。直前7日間の100円以上の累積発生コマ数がゼロになった時点で解除する案です。
この制度に関連し、計画停電時のインバランス料金は補正インバランス料金の上限価格を引用しているため、計画停電時のインバランス料金も改正対象になると説明されています。
3. その他の改正案
資料では、前回改正の改正漏れの改正、用語の定義の見直し、単価の記載ぶりの統一なども示されています。具体的な条文や算式は、省令案と告示案で確認してください。
影響を受ける可能性がある人
今回の案は、一般送配電事業者の託送供給等約款料金算定規則と、経済産業大臣が定める額・算式に関係します。そのため、一般送配電事業者、電力の小売電気事業者、発電事業者など、計画値同時同量制度やインバランス料金の精算に関係する事業者は、制度変更の内容を確認する必要があります。
概要資料は、累積価格閾値制度について「小売電気事業者」において不足インバランスが不可避となる場合を説明しています。また、補正インバランス料金や計画停電時のインバランス料金も改正対象として示されています。ただし、個別の事業者にどの程度の金銭的影響が生じるか、電気料金がどう変わるかについては、提供された公式資料では確認できません。具体的な影響額や利用者向け料金への波及は、公式資料で要確認です。
意見提出時の確認点
意見は日本語で記入し、省令案・告示案のどの部分についての意見か分かるよう、条・項・号を明記するよう求められています。提出方法は、e-Gov、郵送、電子メールのいずれかです。
e-Govで提出する場合は、e-Govの意見募集案内を確認し、「意見入力へ」から入力します。郵送先は、〒100-8931 東京都千代田区霞が関1-3-1、経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力産業・市場室パブリックコメント担当です。電子メールは、意見提出用紙を添付し、指定された担当室のアドレスへ送付します。件名は「一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則の一部を改正する省令案等に対する意見」とされています。
意見募集要領では、提出意見は最終的な決定の参考とされ、個別回答は行わないとされています。また、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスを除き、意見が公開される可能性があります。意見本文に個人を識別できる情報や、個人・法人の財産権を害するおそれがある記述を含めないか、提出前に確認してください。
用語解説
- インバランス:実需給前に提出した計画と、実際の発電・需要実績との差分。
- 補正インバランス料金:需給ひっ迫の度合いに応じて、インバランス料金を上昇させる仕組み。
- 補正料金算定指数:補正インバランス料金の算定に用いられる指標。沖縄電力の供給区域と、それ以外の供給区域で示される指標が異なります。
- 広域予備率:一般送配電事業者の供給エリアをまたぐ送電線を活用し、全国や複数エリアの電力需給バランスの余裕度を平均して示す指標。
- コマ:概要資料で、スポット市場価格などの累積発生数を数える単位として使われている表現です。具体的な時間単位の詳細は、提供された資料の範囲では公式資料で要確認です。
改正案の比較
| 項目 | 現行・背景として資料に示された内容 | 今回の案 |
|---|---|---|
| 補正インバランス料金の上限価格 | 原則600円/kWh。2022年度の制度開始以降、激変緩和措置として200円/kWhの暫定価格が継続 | Cの値を当面300円/kWhとする案 |
| Dの値 | 今回の案の説明対象 | 当面50円/kWhとする案 |
| 高額価格が続いた場合 | 累積価格閾値制度を導入する案 | 直前7日間で200円/kWh以上が累積30コマに到達した翌日から、上限価格を100円/kWhとする案 |
| 施行時期 | — | 2026年10月1日施行予定。ただし未確定 |
FAQ
Q1. この改正は決定済みですか?
いいえ。現在は省令案と告示案に対する意見募集です。概要資料に示された施行日は2026年10月1日「予定」であり、最終的な内容や施行は確定していません。
Q2. 意見は誰でも提出できますか?
意見募集要領は「広く国民の皆様」から意見を募集するとしています。提出方法や記載事項を確認し、日本語で、対象となる条・項・号を明記して提出してください。
Q3. 締切はいつですか?
e-Gov案件ページの受付締切日時は2026年7月29日23時59分です。郵送の場合は同日必着です。送信・到着に必要な時間は提出者自身で確認してください。
Q4. 電気料金は上がりますか、下がりますか?
提供された公式資料だけでは、個別の電気料金や最終需要家への影響額は確認できません。「料金が必ず上がる」「必ず下がる」といった判断はできないため、公式資料で要確認です。
Mermaid図解
flowchart TD
A[計画と実績の差分<br/>インバランス] --> B[一般送配電事業者が調整]
B --> C[インバランス料金を精算]
C --> D{需給ひっ迫の度合い}
D --> E[補正料金算定指数に応じた<br/>補正インバランス料金]
E --> F[今回の案:C値・D値を見直し]
C --> G{直前7日間の高額価格が<br/>累積30コマに到達?}
G -- いいえ --> H[通常の算定]
G -- はい --> I[翌日から上限価格を<br/>100円/kWhとする案]
I --> J[100円以上の累積発生コマ数が<br/>ゼロで解除する案]
事実確認
- 政府の意見募集締切:2026年7月29日23時59分。郵送は同日必着。
- パブコメ.com運用締切:公式資料に記載がないため、公式資料で要確認。サイト上の表示も確認してください。
- 提出方法:e-Gov、郵送、電子メール。
- 所管:経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力産業・市場室。
- 根拠法令:電気事業法(昭和39年法律第170号)第18条第1項。概要資料では、インバランス料金の設定について第18条第1項、第4項、第5項、第7項、第8項および規則第27条から第29条などが説明されています。
- 公式URL・取得日時:e-Gov案件ページ、意見募集要領、省令案、告示案、概要資料。取得日時は、提供された案件JSONのsource_excerptに記載がないため、公式資料で要確認。
提出前には、必ず最新のe-Gov案件ページと各資料を確認してください。