医療機器のJIS Z 4751-2-43改正案、IVR用X線装置の安全要求をどう見直す?

厚生労働省は、医療機器に関する日本産業規格「JIS Z 4751-2-43」の改正案について、2026年6月29日から8月28日まで意見を募集しています。対象となるのは、IVR(画像下治療)に使用できると製造業者が表明した固定形・移動形のX線装置に関する規格案です。

この記事の要点

  • 意見募集の対象は「JIS Z 4751-2-43 医用電気機器-第2-43部:IVR用X線装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項」です。
  • 改正案は、IEC 60601-2-43:2022との整合を図るものと説明されています。
  • 在宅医療環境・救急医療環境に関する規格の適用記載、過度の温度に関する要求事項、表示光の色、引用規格の年版などが主な変更点です。
  • 意見募集は任意の意見募集で、締切は2026年8月28日です。郵送の場合は期間内必着とされています。
  • 改正案は確定した規格ではありません。最終的な内容や適用時期は、公式資料で要確認です。

背景:日本産業規格と今回の意見募集

厚生労働省の募集資料によると、日本産業規格は、産業標準化法に基づき、日本産業標準調査会の答申を受けて主務大臣が制定する規格です。今回、厚生労働大臣が所管する医療機器に関する規格について改正を行うこととし、その改正案への意見を広く募集しています。

JIS Z 4751-2-43は、IVRに使用できると製造業者が表明した固定形および移動形のX線装置について、基礎安全と基本性能を定める個別規格です。資料では、2005年に制定され、2012年に改正された後、2021年にはIEC 60601-2-43:2010/AMD2:2019を基に改正されたと説明されています。

その後、関連するIEC規格が2022年に改訂されました。改訂の理由として、共に用いる通則IEC 60601-1の表示光に関する規定変更、副通則の更新、定義語の見直しなどが示されています。今回の改正案は、これらを踏まえ、機器・患者の安全性の確保と最新の技術水準への対応のため、国際規格との整合を図るものとされています。

今回の主な変更点

1.在宅医療環境・救急医療環境に関する記載を追加

適用範囲の「副通則」に、製造業者がME機器またはMEシステムについて在宅医療環境での使用を意図していると宣言する場合、在宅医療環境で使用するME機器の規格であるIEC 60601-1-11を適用する旨を追加します。

また、救急医療環境での使用を意図していると製造業者が宣言する場合には、救急医療環境で使用するME機器の規格であるIEC 60601-1-12を適用する旨を記載します。どの製品が実際にこれらの環境で使用されることになるか、改正後の具体的な運用は公式資料で要確認です。

2.X線管装置の過度の温度に関する要求事項を削除

現行規格にある「X線管装置の過度の温度に対する保護」に関する要求事項は、通則のJIS T 0601-1およびJIS Z 4751-2-28に定められた要求事項で十分であるとして、この規格内の規定を削除します。

これは、複数の規格に重複している要求事項を整理する変更と読めますが、資料に記載されていない具体的な適合確認方法や製品ごとの対応内容は、公式資料で要確認です。

3.表示光の色に関する規定を変更

表示光の色については、JIS Z 4751-2-54:2025を引用する規定に変更します。同規格では、通則であるJIS T 0601-1の変更を踏まえ、X線関連の状態表示との区別や、アラーム表示光の色に関する要求事項などが明確に規定されていると説明されています。

4.引用するJIS規格の年版を更新

要求事項で引用しているJIS T 0601-1などの規格類について、最新の西暦年版を適用するよう修正します。対象となる引用規格の一覧や、各製品の設計・表示・試験への具体的な影響は、改正案本文を確認してください。

影響を受ける可能性がある人

今回の案を確認したいのは、主に次のような関係者です。

  • IVR用X線装置を製造・設計する事業者
  • IVR用X線装置の試験、品質保証、規格適合を担当する人
  • 医療機器の申請・技術文書・表示に関わる担当者
  • 医療機関で対象装置の導入や安全管理を担当する人
  • 医療機器の規格改正に関心がある研究者・専門家

ただし、今回の資料からは、改正後に既存製品へどのような経過措置が設けられるか、既存の承認・認証・届出にどのような手続が必要になるかまでは確認できません。これらは公式資料で要確認です。

意見提出時の確認点

意見は理由を付して提出します。様式は自由で、件名には「医療機器に係る日本産業規格の改正案に関する御意見の募集について」と明記する必要があります。電話での受付はできません。

e-Govから提出する場合は、e-Govの案件ページで「意見募集要領(提出先を含む)」を確認し、意見入力へのボタンから提出します。郵送の場合は、〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2、厚生労働省医薬局医療機器審査管理課宛てです。郵送は募集期間内必着です。

提出できる意見は日本語に限られます。個人は氏名・住所などの連絡先、法人は法人名・所在地を記載します。提出意見は個別回答されません。また、氏名・住所その他の連絡先を除き、公表されることがあります。個人を識別できる記述や、法人などの財産権を害するおそれがあると判断された箇所は、公開時に伏せられる場合があります。

意見を書く際は、どの変更点への意見かを明確にし、改正案の該当箇所、懸念する理由、修正を求める場合の具体的な内容を整理すると確認しやすくなります。実際の提出前には、必ず最新の募集要領と改正案を確認してください。

用語解説

用語 公式資料で確認できる内容
JIS 産業標準化法に基づき、日本産業標準調査会の答申を受けて主務大臣が制定する日本産業規格
JIS Z 4751-2-43 IVR用X線装置の基礎安全および基本性能に関する個別要求事項
IVR 今回の規格名に用いられている医療分野の用途。資料では「IVR用X線装置」と表記
ME機器・MEシステム 改正案本文の目次や概要で用いられている医用電気機器・医用電気システムに関する用語
IEC 今回の改正案が整合を図る国際規格の体系。対象規格はIEC 60601-2-43:2022

現行の説明と改正案の比較

確認項目 現行・これまでの説明 今回の改正案
国際規格との関係 2021年にIEC 60601-2-43:2010/AMD2:2019を基に改正 IEC 60601-2-43:2022との整合を図る案
在宅・救急医療環境 概要資料で今回追加前の状態の詳細は確認できない IEC 60601-1-11、IEC 60601-1-12の適用記載を追加
過度の温度 現行規格に関連要求事項あり JIS T 0601-1等で十分として本規格の規定を削除
表示光の色 現行規定 JIS Z 4751-2-54:2025を引用する規定へ変更
引用規格 既存の引用年版 最新の西暦年版を適用するよう修正

改正案の位置づけを図で確認

flowchart TD
    A[IEC 60601-1など関連規格の更新] --> B[IEC 60601-2-43:2022の改訂]
    B --> C[JIS Z 4751-2-43改正案]
    C --> D[意見募集]
    D --> E[最終的な改正内容]
    E --> F[具体的な適用・対応]

図のうち、意見募集後の最終的な改正内容や具体的な適用・対応については、今回の資料だけでは確定していません。

FAQ

Q1.今回の改正案は、すでに確定した規格ですか?

いいえ。今回公開されているのは改正案で、意見募集の対象です。最終的な内容や施行・適用時期は公式資料で要確認です。

Q2.誰でも意見を提出できますか?

募集資料は「広く国民の方々」から意見を募集するとしています。提出は日本語に限られ、理由を付す必要があります。個人・法人それぞれに必要な連絡先の記載事項があります。

Q3.電話で意見を伝えられますか?

電話による受付はできません。e-Govの意見提出フォームまたは郵送で提出してください。

Q4.既存の医療機器にすぐ影響しますか?

既存製品への経過措置や個別の手続については、提示された公式資料の範囲では確認できません。製品ごとの対応は、改正案と今後公表される公式情報で要確認です。

関連ページと公式資料

提出前に、募集期間、提出先、記載事項、改正案の該当箇所を確認してください。