医療機器JIS改正案で何が変わる?対象規格・提出方法・意見募集の締切を確認

この記事の要点

  • 厚生労働省は、医療機器に関係する8つの日本産業規格(JIS)の改正案について、2026年5月27日から7月26日まで意見を募集しています。
  • 対象は、栄養用チューブ、経腸栄養延長チューブ、血管内カテーテル、造影剤注入用針、歯科用注射針、歯科用セラミック材料、医用加湿器、オフサルモメータに関する規格です。
  • 改正案では、引用規格の更新、国際規格の改訂内容の反映、コネクタ要求事項の変更、エンドトキシンに関する要求事項の削除などが示されています。
  • 意見は、e-Govの意見提出フォームまたは郵送で提出できます。電話での受付はできません。
  • これは意見募集段階の案であり、改正が確定したことを示すものではありません。

案件の原文や提出画面は、案件ページで確認できます。厚生労働省の公式資料は、e-Govの案件ページおよび意見募集要領で公開されています。

背景:医療機器に関するJISを見直し

日本産業規格は、産業標準化法に基づき、日本産業標準調査会の答申を受けて主務大臣が制定する規格です。厚生労働省の意見募集資料によると、今回、厚生労働大臣が所管する医療機器に関するJISについて改正を行うこととし、改正案への意見を募集しています。

今回の意見募集は、行政手続法に基づく手続ではなく、「任意の意見募集」とされています。案の公示日は2026年5月27日、受付開始は同日10時です。政府の受付締切は2026年7月26日23時59分です。郵送の場合は、募集期間内に必着とされています。

なお、意見募集の対象となっている規格案は、現時点では改正案です。意見募集後にどのように取り扱われるか、また最終的な改正内容や適用時期について、今回提示された資料だけからは確認できない事項があります。これらは公式資料で要確認です。

今回の変更:8つのJIS改正案

意見を募集している規格案は、次の8件です。

規格 公式資料で示された対象・主な方向性
JIS T 3213 栄養用チューブ及びカテーテル。コネクタに関する記載やISO 80369-3:2016のAmendment 1:2019の反映などを検討
JIS T 3264 経腸栄養延長チューブ。コネクタに関する記載、引用規格、表示などを見直し
JIS T 3268 単回使用滅菌済み血管内カテーテル。用語、コーティング、検知性、バルーンカテーテル、構成品などの要求事項を追加・変更
JIS T 3305 造影剤注入用針。ISO 594-2からISO 80369-7への変更、エンドトキシン要求事項の削除などを検討
JIS T 6130 歯科用注射針。引用規格の更新、針管寸法に関するJIS独自規定やエンドトキシン要求事項の削除などを検討
JIS T 6526 歯科用セラミック材料。2024年に改訂されたISO 6872との整合を図る方向性が概要資料に記載されています
JIS T 7207 医用加湿器-加湿システムの基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項。詳細な変更内容は公式資料で要確認
JIS T 7318 オフサルモメータ。詳細な変更内容は公式資料で要確認

コネクタに関する変更

JIS T 3213とJIS T 3264では、ISO 80369-3:2016に対して2019年発行のAmendment 1を反映する案が示されています。また、従来の行政通知に関する記載を削除する案も示されています。JIS T 3213では、対象となるコネクタを使用した場合の識別表示に関する記載も示されています。

血管内カテーテルに関する変更

JIS T 3268では、用語と定義に内径、コーティング、バルーンプロファイル、クロッシングプロファイルを追加する案が示されています。また、コーティング剥離時のリスクが考えられる場合の要求事項、カテーテルの検知方法としてエックス線に加えてMRIや超音波などを追加する案、拡張用バルーンカテーテルの評価に関する要求事項、構成品としてイントロデューサを追加する案が記載されています。

造影剤注入用針・歯科用注射針に関する変更

JIS T 3305では、コネクタの適合先をISO 594-2からISO 80369-7へ変更する案が示されています。エンドトキシンについては、この規格で規定する事項ではないとして、要求事項から削除する案が示されています。引用規格としてJIS T 3209:2022、JIS T 3222:2023などを挙げる案も確認できます。

JIS T 6130では、引用規格を最新のものへ変更する案が示されています。また、「エンドトキシン試験用水」および「エンドトキシン」に関する要求事項を削除する案、針管材料の引用規格を変更する案、現行規格のJIS独自の針管寸法規定を削除する案が示されています。

歯科用セラミック材料に関する変更

JIS T 6526については、概要資料で、対応国際規格ISO 6872が2024年に改訂されたことを踏まえ、最新の技術水準や市場の実態との整合を図る方向性が説明されています。用語と定義の追加・削除、曲げ強さ試験片の長さ、破壊じん(靭)性の推奨値などに変更があったとされています。ただし、提示された抜粋では改正案全文の詳細を確認できないため、具体的な条項や数値は公式資料で要確認です。

影響を受ける人

今回の改正案を確認すべき人として、まず対象となる医療機器や歯科材料を製造・販売する事業者が挙げられます。製品の設計、試験、表示、引用規格、認証申請の参照規格に関係する可能性があるためです。ただし、改正案が実際の製品や申請にどのような影響を及ぼすかは、製品の種類、適用する規格、今後の公示内容などによって異なると考えられます。個別の影響は、今回の資料だけでは断定できません。

また、医療機器の品質管理、規制対応、試験、購買、医療機関での機器選定に関わる人も、対象規格の変更内容を確認する必要があります。JIS T 6526については、概要資料に製造販売認証申請の参照規格となっているとの説明があります。一方、各規格の改正後の運用開始時期、経過措置、既存製品への適用範囲は、公式資料で要確認です。

意見提出時の確認点

意見を提出する場合は、まず対象となる規格案を特定し、改正案のどの箇所について意見を述べるのかを確認してください。意見は理由を付して提出する必要があります。様式は自由ですが、件名には「医療機器に係る日本産業規格の改正案に関する御意見の募集について」と明記するよう求められています。

提出方法は、次の2通りです。

  1. e-Govの案件詳細画面で「意見募集要領(提出先を含む)」を確認し、「意見入力へのボタン」から意見提出フォームを使用する。
  2. 郵送する。宛先は〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省 医薬局 医療機器審査管理課宛て。

電話による受付はできません。意見は日本語に限られ、個人の場合は氏名・住所などの連絡先、法人の場合は法人名・所在地の記載が必要です。提出された意見は個別回答されず、氏名・住所その他の連絡先を除き公表されることがあります。個人を識別できる記述や法人の財産権などを害するおそれがある記述は、公開時に伏せられる場合があります。

パブコメ.comの案件一覧は案件一覧、新着案件の通知登録は新着通知から確認できます。パブコメ.comの運用上の締切が政府締切と異なるかどうかは、今回の公式資料には記載がないため、公式資料で要確認です。提出を予定している場合は、政府の締切と郵送の必着条件を優先して確認してください。

deep_dive:用語解説

日本産業規格(JIS)

日本産業規格は、産業標準化法に基づき、日本産業標準調査会の答申を受けて主務大臣が制定する規格です。今回の募集資料では、医療機器に係るJISの改正案が対象です。

引用規格

本文の要求事項などで参照される別の規格です。今回の改正案では、JISやISOの引用規格を新しい版に変更する案が複数示されています。

コネクタ

医療機器のチューブや導管などを接続する部品です。JIS T 3213、JIS T 3264、JIS T 3305の改正案では、コネクタに関係する規格や要求事項の変更が示されています。

Amendment

既存の国際規格に対する追補・改訂です。今回の資料では、ISO 80369-3:2016に対するAmendment 1:2019がJIS T 3213およびJIS T 3264の改正案に反映されています。

変更の見取り図

flowchart TD
  A[医療機器に係るJIS改正案] --> B[引用規格の更新]
  A --> C[国際規格の改訂内容を反映]
  A --> D[コネクタ要求事項の見直し]
  A --> E[要求事項の追加・削除]
  B --> F[JIS T 3305・JIS T 6130など]
  C --> G[JIS T 3213・JIS T 3264・JIS T 3268・JIS T 6526など]
  D --> H[ISO 80369関連の記載変更]
  E --> I[エンドトキシン関連の削除など]

FAQ

Q1. 今回の改正案は、すでに確定した規格ですか?

いいえ。今回の資料は意見募集の対象となる改正案です。最終的な改正内容、改正の公示時期、適用時期、経過措置については、提示された資料だけでは確認できないため、公式資料で要確認です。

Q2. 意見は誰でも提出できますか?

意見募集資料は、改正案について広く国民から意見を募集するとしています。具体的な提出条件として、日本語で意見を記載し、理由を付すこと、個人または法人の連絡先を記載することなどが示されています。

Q3. 電話で意見を伝えられますか?

電話による受付はできません。e-Govの意見提出フォームまたは郵送で提出してください。

Q4. 郵送の場合、消印が締切日に間に合えばよいですか?

公式資料には、郵送の場合は募集期間内の必着と記載されています。消印ではなく、締切までに届くことが必要です。

Q5. 8規格すべてについて意見を書く必要がありますか?

今回の資料は、8つの規格案を対象としていますが、提出者が8規格すべてについて意見を述べなければならないとは、提示された資料には記載されていません。意見を提出する場合は、実際に確認した規格案と該当箇所を明確にしてください。

公式資料