この記事の要点
- 環境省は、日光国立公園の特別地域内で、採取または損傷に許可が必要となる「指定植物」の見直し案を示しています。
- 案では、指定する植物を合計574種とし、316種を継続、44種を削除、258種を新たに指定する構成です。
- 告示後は、指定された植物の採取や損傷が原則禁止となり、学術研究などの必要性が認められる場合は環境大臣の許可が必要とされています。なお、今回の案は確定したものではありません。
- 意見の募集期間は、案件ページの受付締切日時では2026年8月21日0時0分です。一方、意見募集要領には2026年8月20日までと記載され、郵送は締切日必着とされています。提出前に公式ページで最新表示を確認してください。
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どのような見直し案か
環境省自然環境局国立公園課は、「日光国立公園の特別地域内において許可を受けなければ採取し、又は損傷してはならない高山植物その他これに類する植物を指定する件」の一部改正案について、意見を募集しています。
根拠となるのは自然公園法第20条第3項第11号です。環境省の「指定植物の選定方針」では、国立公園の特別地域内で、風致の維持や生物多様性の保全のために採取・損傷を規制する必要がある植物を指定する制度について説明しています。
特別地域とは、自然公園の中で、風致を維持するため、一定の行為に許可が必要とされる地域です。指定植物については、国立公園では環境大臣の許可を受けなければ採取・損傷できない仕組みとされています。制度の背景や選定基準は、環境省の指定植物の選定方針で確認できます。
今回の変更案の内容
日光国立公園の指定植物は、昭和56年3月の告示以降、変更がないままとされていました。今回の案では、平成27年8月に策定された選定方針に基づき、植物分類学や地域フロラ研究の進展を踏まえた現状把握、有識者へのヒアリング、検討会での討議を経て、指定植物を見直すとしています。
案の内訳は次のとおりです。
| 区分 | 植物種数 | 案の内容 |
|---|---|---|
| 指定する総植物種数 | 574種 | 別紙1に掲載 |
| 継続して指定する植物種 | 316種 | 現行の指定植物を植物分類学上整理したうえで継続 |
| 指定から削除する植物種 | 44種 | 分布状況などから削除する案 |
| 新たに指定する植物種 | 258種 | 日光国立公園内で生育が確認され、選定基準を満たすとされた種 |
現行の指定植物は360種とされ、そこから44種を削除し、316種を継続する案です。新たに指定する258種については、既存文献や有識者へのヒアリングを踏まえ、日光国立公園内で生育が確認でき、指定植物の選定基準を満たすものと説明されています。
削除案の理由には、日光国立公園に分布しないため、逸出の可能性が高いため、DNA調査により当該国立公園産ではない可能性が高いため、国内希少野生動植物種であるため、などがあります。個別の植物名と理由は、環境省が公開する指定から削除する植物種の一覧で確認できます。
新たに指定する植物の一覧には、エゾノヒメクラマゴケ、ヒメハナワラビ、ニッコウデンダ、ミヤマビャクシン、ゼンテイカ、コアツモリソウなどが掲載されています。ただし、今回示されているのはあくまで案であり、最終的な指定内容は今後の手続を経て決まります。
影響を受ける可能性がある人
直接確認が必要なのは、日光国立公園の特別地域内で植物を採取したり、損傷させたりする可能性がある人です。具体的には、植物の調査・研究を行う人、自然環境の管理や保全に関わる人、公園内で活動する人などが考えられます。ただし、資料だけでは個別の活動が許可対象となるか、どの場所が特別地域に当たるかまでは確認できないため、該当する場合は環境省自然環境局国立公園課または関東環境局国立公園課へ確認してください。
案が告示された場合、指定植物の採取や損傷は原則禁止となります。学術研究その他公益上の必要性などが認められた場合は、環境大臣の許可を受けて行うことができるとされています。告示後は、指定植物種が環境省ホームページで公表される予定です。
一方、今回の資料だけでは、許可申請の具体的な書式、審査期間、許可の判断基準、違反時の個別の扱いまでは確認できません。これらは公式資料で要確認です。
意見を提出するときの確認点
意見募集の対象は、別紙1の総植物種リスト、別紙2の継続指定リスト、別紙3の削除リスト、別紙4の新規指定リストです。植物の名称、学名、継続・削除・追加の区分、選定理由などを確認したうえで、具体的な意見を記載すると整理しやすくなります。
意見募集要領に記載された提出方法は、郵送、電子メール、e-Govの意見入力フォームです。電子メールの場合は、意見の内容をメール本文に記載し、添付ファイルによる提出は控えるよう求められています。郵送の場合は締切日必着です。件名には「日光国立公園 指定植物(案)への意見」と記載します。
住所、氏名、団体名、電話番号、メールアドレスなどの記載も求められています。提出した意見は、住所、氏名、電話番号、メールアドレスを除き、公開を前提とするとされています。電話による意見提出は受け付けないとのことです。
政府側の締切について、案件ページの受付締切日時は2026年8月21日0時0分です。ただし、意見募集要領本文では、意見提出期間を2026年7月21日から8月20日までと記載しています。日付の表記に差があるため、提出時はe-Govの案件ページと提出方法の画面を確認してください。
パブコメ.comでの運用上の締切は、提供された公式資料には記載がありません。サイト上の受付状況や掲載案内を確認し、余裕をもって提出してください。
用語を確認
指定植物
自然公園法第20条第3項第11号に基づき、特別地域内で採取・損傷する際に許可が必要となる植物です。今回の案では、日光国立公園について指定植物を見直します。
特別地域
自然公園のうち、風致を維持するため、一定の行為について許可を受けなければならない地域です。今回の規制案は、日光国立公園全域ではなく、特別地域内での指定植物を対象としています。
選定基準
環境省の選定方針では、分布の特殊性、絶滅危惧種・希少種、希少な動物の生息に必要な種、特殊な栄養摂取を行う種など、複数の基準が示されています。対象となる植物がどの基準に該当するかは、別紙1のリストで確認できます。
手続の流れ
flowchart TD
A[2026年7月21日 意見募集開始] --> B[別紙1〜4を確認]
B --> C[郵送・電子メール・e-Govフォームで意見提出]
C --> D[2026年8月頃までに意見を整理]
D --> E[2026年9月頃 意見の概要と対応方針を公表予定]
E --> F[2026年冬頃 官報告示予定]
F --> G[告示後 環境省ホームページで指定植物を公表予定]
意見募集要領では、2026年9月頃に提出意見の概要と対応方針を公表し、2026年冬頃に官報告示する予定とされています。いずれも予定であり、最終的な時期や内容は確定していません。
よくある質問
Q1. すぐに採取禁止になるのですか?
A. すぐに今回の案どおりの規制が始まると決まったわけではありません。現在は意見募集の段階です。意見の整理、官報告示などの手続を経て、最終的な指定内容が決まります。告示後は、指定された植物の採取・損傷が原則禁止とされています。
Q2. 574種すべてが新しく指定されるのですか?
A. 574種の内訳は、継続316種、削除44種、新規258種です。したがって、574種すべてが新規指定という意味ではありません。詳細は総植物種リスト、継続リスト、削除リスト、新規リストで確認できます。
Q3. 研究目的なら自由に採取できますか?
A. 公式資料では、学術研究その他公益上の必要性などが認められた場合、環境大臣の許可を受けて行うことができるとされています。研究目的であれば必ず許可されるという意味ではありません。具体的な許可条件は公式資料で要確認です。
Q4. 意見は電話で伝えられますか?
A. 電話での意見は受け付けないとされています。郵送、電子メール、e-Govの意見入力フォームを利用してください。
関連ページと公式資料
本記事は、2026年7月21日付の環境省の意見募集要領、各植物リスト、指定植物の選定方針、およびe-Govの案件情報に基づいています。最終的な規制内容、告示時期、許可の詳細は、今後公表される公式情報を確認してください。