農薬5成分の登録基準値案は何が変わる?環境省が水域・鳥類・野生ハナバチ類の意見募集

この記事の要点

  • 環境省は、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案について、2026年7月9日から意見を募集しています。
  • 対象は、フロリルピコキサミド、インダノファン、シハロホップブチル、フェントラザミド、メタミトロンの5成分です。
  • 水域の生活環境動植物、鳥類、野生ハナバチ類について、成分ごとの基準値を新たに設定または改正する案です。
  • e-Govの案件ページでは受付締切が2026年8月8日と表示されていますが、差し替え後の意見募集要領では募集期間の終了日が2026年8月7日に修正されています。提出前に公式資料で最新の締切を確認してください。
  • 案は確定した告示ではありません。最終的な内容や施行時期は、今後の手続を経て決まるため、現時点では未確定です。

案件の詳細は案件ページで確認できます。ほかの案件は案件一覧、更新通知は新着通知をご利用ください。

背景:農薬登録と生活環境動植物の基準

公式資料によると、農薬は、農薬取締法第3条第1項に基づく農林水産大臣の登録を受けなければ、原則として製造、加工または輸入をしてはならないとされています。登録申請に対する審査の結果、農薬が一定の要件に該当すると認められる場合、農林水産大臣は登録を拒否しなければならないとされています。

そのうち、生活環境動植物に著しい被害を生ずるおそれがある場合など、農薬取締法第4条第1項第6号から第9号までに該当するかどうかの基準は、同条第3項に基づき環境大臣が定めて告示します。今回の意見募集は、この枠組みに関係する「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準」の基準値案を対象としています。

環境省の意見募集要領(公式資料)では、2026年6月17日に開催された中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第101回)で審議された5種類の農薬について、意見を募集すると説明しています。

今回の変更案:5成分の基準値を設定・改正

別紙の基準値案によると、水域関係では、公共用水域における水域環境中予測濃度について、基準値を新たに設定または改正します。陸域関係では、鳥類に係る予測ばく露量と、野生ハナバチ類に係る経路別の予測ばく露量について、基準値を新たに設定します。

成分 水域の基準値案 現行値 鳥類の基準値案
フロリルピコキサミド 1.9μg/L 130mg/kg体重
インダノファン 0.29μg/L 2.9μg/L 140mg/kg体重
シハロホップブチル 16μg/L 33μg/L 130mg/kg体重
フェントラザミド 0.40μg/L 6.0μg/L 150mg/kg体重
メタミトロン 490μg/L 660μg/L 100mg/kg体重

野生ハナバチ類については、フロリルピコキサミドに対し、成虫の接触ばく露4.0μg/bee、成虫の経口ばく露(単回)4.3μg/bee、成虫の経口ばく露(反復)0.53μg/bee/day、幼虫の経口ばく露1.3μg/beeを設定する案です。シハロホップブチルについては、成虫の接触ばく露4.0μg/bee、成虫の経口ばく露(単回)4.3μg/bee、幼虫の経口ばく露0.22μg/beeを設定する案です。その他の成分について、野生ハナバチ類の数値が設定されるかは、提示された資料の一覧上では「―」とされています。

なお、別紙には、設定または改正する基準値は本告示の公布の日から適用すると記載されています。ただし、今回の資料は案であり、告示の公布や最終的な内容は未確定です。

影響を受ける人

今回の案に関心を持つ人は、農薬の登録申請や安全性評価に関わる事業者、農薬の環境影響を調査する研究者、農業関係者、水域・鳥類・野生ハナバチ類など生活環境動植物の保全に関心がある人などです。

ただし、今回の資料だけでは、個別の製品、使用方法、販売や使用への具体的な影響、登録申請の可否を確定的に説明することはできません。個別製品への影響は、公式資料で要確認です。

意見提出時の確認点

意見募集期間は、意見募集要領の本文では2026年7月9日から2026年8月7日までで、郵送の場合は締切日必着とされています。一方、案件情報の受付締切日時は2026年8月8日0時0分と表示され、7月14日の備考には募集期間の終了日を8月7日に修正したと記載されています。日付に相違があるため、提出時はe-Gov案件ページと最新の意見募集要領を確認してください。

提出方法は、e-Govの「意見提出フォーム」または郵送です。電話での提出は受け付けられません。郵送の場合は、指定様式を使い、封筒表面に「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)に対する意見」と記載します。宛先は、〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2、環境省水・大気環境局環境管理課農薬環境管理室です。意見は日本語で提出し、該当箇所、意見内容、意見の理由を記載します。

意見の理由には、根拠となる出典などを添付または併記するよう求められています。対象案と無関係な意見、個人・法人などを識別できる情報を含む意見、誹謗中傷、宣伝・広告などは受付対象外となる場合があります。また、提出意見は、氏名、住所、電話番号などの個人情報を除き、すべて公開される可能性があります。

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用語解説

  • 水域環境中予測濃度:農薬が公共用水域に流出または飛散した場合に予測される、水中の農薬成分の濃度です。
  • 予測ばく露量:農薬を使用した場所の周辺に生息・生育する生活環境動植物が、摂餌、飲水、接触などによりばく露する農薬成分量を予測したものです。
  • 登録基準値:農薬取締法に基づく登録拒否事由に該当するかどうかを判断するため、環境大臣が定める基準値です。
  • 野生ハナバチ類:今回の資料で、陸域の生活環境動植物として評価対象に含まれている分類です。

水域と陸域の比較

区分 評価するもの 今回の案
水域 水域環境中予測濃度 5成分について新規設定または改正
陸域・鳥類 鳥類に係る予測ばく露量 5成分について新規設定
陸域・野生ハナバチ類 経路別の予測ばく露量 主にフロリルピコキサミド、シハロホップブチルについて設定

手続の流れ

flowchart TD
 A[環境省が基準値案を公示] --> B[国民から意見募集]
 B --> C[意見を提出]
 C --> D[今後の検討]
 D --> E[最終的な告示の内容を確認]
 E --> F[公布日などに応じて適用]

FAQ

Q1. 今回の基準値案は、すでに確定した規制ですか?

A. いいえ。今回公開されているのは案です。最終的な内容や告示の公布は、提示資料だけでは確定していません。

Q2. いつまでに意見を提出すればよいですか?

A. 意見募集要領では2026年8月7日まで、郵送は締切日必着とされています。ただし、案件ページには2026年8月8日0時0分の表示もあるため、提出前に公式資料で要確認です。

Q3. 電話で意見を伝えられますか?

A. いいえ。意見募集要領には、電話での意見提出は受け付けないと記載されています。e-Govの意見提出フォームまたは郵送を利用してください。

Q4. 5成分すべてについて野生ハナバチ類の基準値が示されていますか?

A. 提示された基準値案の表では、フロリルピコキサミドとシハロホップブチルに数値が示され、インダノファン、フェントラザミド、メタミトロンは「―」とされています。表の意味や今後の扱いは、公式資料で要確認です。

公式資料