環境省は、三陸復興国立公園の特別地域内で、許可を受けなければ採取・損傷してはならない植物を見直す案を公示し、意見を募集しています。対象となる植物の指定はまだ確定していないため、最終的な内容は今後変更される可能性があります。
30秒でわかる要点
- 対象は「三陸復興国立公園 指定植物(案)」です。
- 指定する総植物種数は案の段階で896種です。
- 内訳は、継続227種、指定から削除9種、新たに指定669種です。
- 告示により指定された場合、指定植物の採取や損傷は原則禁止となり、一定の場合を除いて環境大臣の許可が必要になります。
- 意見募集の公式資料には、提出期間について「2026年8月20日まで」と「2026年8月21日0時0分」の記載があり、締切は公式資料で要確認です。
案件の詳細は三陸復興国立公園の案件ページで確認できます。環境分野を含む新着案件は案件一覧、通知登録は新着通知をご覧ください。
背景と今回の見直し
自然公園法第20条第3項第11号では、国立公園の特別地域内において、高山植物その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、または損傷することについて、環境大臣の許可を受けなければならない行為として定めています。環境省の「指定植物の選定方針」では、指定植物制度の目的を、風致の維持上重要な植物の保全を強化し、生物多様性の確保に資することとしています。
環境省の意見募集要領によると、三陸復興国立公園では、2015年3月の南三陸・金華山地域の編入に伴う見直し以降、新しい基準による指定植物の見直しは実施されていませんでした。今回の案は、同公園の生態系、植物相、自然景観などを適切に保護するため、新たな選定基準によって指定植物を見直すものです。
選定方針の対象は、原則として維管束植物のうち草本と低木である種です。ただし、木本の高木・小高木や、維管束植物以外の分類群でも、風致の維持または生物多様性の保全上重要で、採取・損傷による影響が大きいおそれがある種は、各公園で必要に応じて対象とされます。
今回の変更案は何か
案では、指定植物を総数896種としています。現在の指定植物を整理したうえで、継続する植物、削除する植物、新たに指定する植物に分けています。
| 区分 | 案の種数 | 内容 |
|---|---|---|
| 継続して指定 | 227種 | 現行の236種を植物分類学上整理し、削除分を差し引いたもの |
| 指定から削除 | 9種 | 最新の分布情報、文献、専門家へのヒアリング、選定基準などを踏まえて削除する案 |
| 新たに指定 | 669種 | 選定基準に該当すると判断された植物を追加する案 |
| 指定する総植物種 | 896種 | 上記を反映した指定植物の総数 |
削除案には、三陸復興国立公園内で生育地情報がないとされたエゾベニヒツジグサ、分類の見直しにより当該公園には分布しないとされたウスバサイシン、国内希少野生動植物種であることを理由とするアツモリソウなどが含まれます。その他の削除理由として、選定基準のいずれにも該当しないことが示されています。
新たに指定する669種について、意見募集要領は、分布限界、特殊な立地に生育する種、季観を構成する特徴的な種、採取対象となる種に該当すると判断した種が多いことを、種数が増加した主な理由として説明しています。個別の対象植物は、環境省が公表した別紙1の総植物種リスト、別紙2の継続指定リスト、別紙3の削除リスト、別紙4の新規指定リストで確認できます。
指定された場合に影響を受ける人
案の対象区域である三陸復興国立公園の特別地域内で、指定植物を採取したり、損傷したりする可能性がある人や団体は、指定後の扱いを確認する必要があります。環境省の意見募集要領は、告示により指定されると、指定植物の採取や損傷は原則禁止になると説明しています。学術研究その他公益上の必要性などが認められた場合は、環境大臣の許可を受けて行うことができるとされています。
したがって、自然観察、調査研究、土地の管理、施設の維持などに関わる人は、活動場所が特別地域に当たるか、対象植物が指定リストに含まれるか、許可が必要となる行為に該当するかを、最終的な告示と関係機関の案内で確認することが重要です。具体的な許可要件や個別行為の判断は、今回の抜粋資料だけでは確認できないため、公式資料で要確認です。
用語を確認
特別地域
自然公園の区域内で、風致を維持するため、一定の行為について許可が必要とされる地域です。
指定植物
特別地域内で採取・損傷する場合に、環境大臣の許可が必要となる植物として指定されるものです。今回の記事で扱う指定内容は案であり、確定したものではありません。
選定基準
指定植物を選ぶ際の基準です。公式の選定方針では、分布の特殊性、絶滅危惧種・希少種、希少な動物の生息に必要な種、特殊な栄養摂取を行う種、特殊な条件の立地に生育する種などが挙げられています。
flowchart TD
A[指定植物の見直し案] --> B[継続227種]
A --> C[削除9種]
A --> D[新規669種]
B --> E[総数896種の案]
C --> E
D --> E
E --> F[意見募集]
F --> G[意見の取りまとめ・公表予定]
G --> H[冬頃の官報告示予定]
H --> I[告示後に環境省ホームページで公表予定]
意見を提出する前の確認点
意見募集の対象は、別紙1から別紙4までの指定植物案です。植物名、学名、継続・削除・新規の区分、選定基準や削除理由など、どの記載に対する意見なのかを具体的に確認してから提出すると整理しやすくなります。
提出方法は、郵送、電子メール、e-Govの意見入力フォームです。郵送先は環境省自然環境局国立公園課です。電子メールの場合は、意見の内容をメール本文に記載し、添付ファイルによる提出は控えるよう案内されています。件名には「三陸復興国立公園 指定植物(案)への意見」と記載する必要があります。電話による意見提出は受け付けないとされています。
意見には、住所、氏名、団体名、電話番号、メールアドレスなどを記入します。提出された意見は、住所、氏名、電話番号、メールアドレスを除き、公開を前提とするとされています。個人を識別できる記述や、個人・法人などの財産権を害するおそれがある記述は、公開時に伏せられる場合があります。
意見提出期間は、意見募集要領本文では2026年7月21日から2026年8月20日まで、郵送は締切日必着とされています。一方、e-Gov案件情報の受付締切日時は2026年8月21日0時0分です。締切の扱いに差があるため、提出前に公式のe-Gov案件ページと最新の意見募集要領を確認してください。
FAQ
Q1. 指定植物の内容はもう決まっていますか?
いいえ。今回公示されているのは案です。意見募集後の取りまとめや検討を経て、最終的な告示内容が決まる予定です。案から変更される可能性があります。
Q2. 指定植物は自由に採取できなくなりますか?
告示により指定された場合、採取や損傷は原則禁止となります。学術研究その他公益上の必要性などが認められた場合は、環境大臣の許可を受けて行えるとされています。具体的な行為ごとの判断は公式資料で要確認です。
Q3. どの植物が新たに指定される案ですか?
新たに指定する案は669種です。個別の植物名は、環境省の別紙4「三陸復興国立公園指定植物リスト(案)新たに指定する植物種」で確認できます。
Q4. 意見は電話で提出できますか?
できません。意見募集要領では、郵送、電子メール、e-Govの意見入力フォームによる提出が案内され、電話での意見は受け付けないとされています。
Q5. 意見募集後はどうなりますか?
意見募集要領では、2026年9月頃に提出意見を取りまとめて公表し、2026年冬頃に官報告示する予定とされています。ただし、予定であり、実際の時期や最終内容は未確定です。
関連ページと公式資料
この記事は、2026年7月21日付の環境省意見募集要領、指定植物リスト案、指定植物の選定方針、e-Gov案件情報に基づいています。提出期限や告示内容は変更される可能性があるため、提出時点の公式情報を確認してください。