個人情報漏えい・サイバー攻撃の報告方法はどう変わる?個人情報保護委員会の告示改正案と意見募集

30秒でわかる要点

  • 個人情報保護委員会は、個人データ、行政機関等が保有する個人情報、特定個人情報の漏えい等について、サイバー攻撃等事案に係る共通様式を使った報告方法を追加する告示改正案を公示しています。
  • 対象となるのは、個人情報保護法第26条第1項・第68条第1項、番号法第29条の4第1項に基づく報告です。
  • 改正案では、現行の電子情報処理組織を使用する方法などに加え、「その他サイバー攻撃等事案に係る共通様式」を提出する方法を認めるとしています。
  • 共通様式による報告では、官民連携基盤を使用する方法も可能とする案です。
  • 意見募集の政府締切は2026年8月14日(金)23時59分です。ただし、最終的な改正内容は案から変更される可能性があります。

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背景

個人情報保護委員会の改正概要によると、個人情報保護法や番号法に基づく個人情報等の漏えい等の報告には、個人情報保護委員会や事業所管大臣などへの報告が含まれます。従来は、電気通信回線の故障、災害その他の理由で電子情報処理組織を使用することが困難な場合を除き、電子情報処理組織を使用する方法による報告が基本とされています。

改正概要では、これらの報告の中にはランサムウェア事案等のサイバー攻撃も含まれると説明されています。サイバー攻撃を受けた場合、初動対応中に多数の官公署へ報告する必要があり、被害組織の報告負担が大きいとの指摘があったとされています。

このため、2025年5月28日の関係省庁申合せに基づき、ランサムウェア事案に係る報告などで共通様式を利用できるよう、施行規則等の改正と告示の制定が行われました。今回の案は、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係省庁申合せの改定を踏まえ、告示を整理するものです。

今回の変更案

今回の対象は、2025年個人情報保護委員会告示第12号です。告示の正式名称は、個人情報保護法施行規則や番号法に基づき、個人情報保護委員会が別に定める場合と方法を定める告示です。

改正概要によれば、次の内容が案として示されています。

項目 現行・これまでの整理 今回の改正案
報告対象 個人情報保護法・番号法に基づく漏えい等報告 対象自体は、個人情報保護法第26条第1項・第68条第1項、番号法第29条の4第1項に基づく報告
報告方法 電子情報処理組織を使用する方法など 現行方法に加え、「その他サイバー攻撃等事案に係る共通様式」を提出する方法を追加
共通様式 ランサムウェア事案共通様式など 不正アクセス、情報窃取等を対象とする別添様式3を追加する案
提出経路 各制度に基づく方法 共通様式による報告では、官民連携基盤を使用する方法も可能とする案

ここでいう「その他サイバー攻撃等事案共通様式」は、資料上、不正アクセスや情報窃取等を対象とする様式です。速報、続報、詳報の区分、事案の概要、技術的事項、対応状況、個人データ・保有個人情報・特定個人情報の漏えい等に関する項目などを記載する構成となっています。

また、改正概要では、個人情報保護委員会法令等に基づく報告を行う場合、共通様式の別紙1から別紙3を記載することが示されています。個人データの漏えい等は別紙1、行政機関等における保有個人情報の漏えい等は別紙2、特定個人情報の漏えい等は別紙3の対象です。

施行期日は2026年10月1日を予定しています。ただし、これは意見募集時点の案に記載された予定であり、確定した施行日ではありません。

影響を受ける人・組織

主に、次の報告義務や報告手続に関係する組織が確認対象になります。

  • 個人情報取扱事業者など、個人情報保護法第26条第1項に基づく個人データの漏えい等報告を行う組織
  • 行政機関等、個人情報保護法第68条第1項に基づく保有個人情報の漏えい等報告を行う組織
  • 番号法第29条の4第1項に基づく特定個人情報の漏えい等報告を行う個人番号利用事務等実施者
  • サイバー攻撃等の被害発生時に、関係する官公署への報告を担当する実務部門

ただし、今回の資料だけでは、各組織の個別の事案が必ず共通様式の対象になるか、既存の報告を省略できるか、個別の提出先がどのように確定するかまでは確認できません。具体的な提出先、提出方法、追加報告の要否は、各法令、ガイドライン、各省庁が公表する方法に従うとされています。個別ケースへの適用は公式資料で要確認です。

制度の流れ

flowchart TD
 A[サイバー攻撃等の事案] --> B{個人情報等の漏えい等報告に該当?}
 B -->|該当| C[個人情報保護法・番号法等の根拠を確認]
 C --> D[現行の電子情報処理組織等による報告]
 C --> E[共通様式による報告を選択できる案]
 E --> F[官民連携基盤の利用も可能とする案]
 B -->|該当性不明| G[各法令・ガイドライン・省庁公表方法を確認]

意見提出時の確認点

意見を提出する場合は、まず意見募集要領告示(案)改正概要を確認してください。

意見募集の対象は、今回の改正内容に関する事項です。意見提出時には、意見の対象箇所を明記する必要があります。提出できるのは日本語による意見で、電話などによる意見は受け付けないとされています。意見提出様式には、氏名または団体名、所属、電話番号または電子メールアドレス、該当箇所、意見、理由を記載します。

提出方法は、e-Govの意見提出フォーム、郵送、電子メールのいずれかです。郵送の場合は2026年8月14日必着で、封書表面に「告示改正案に関する意見提出」と記載します。電子メールの場合は、指定様式を添付し、件名を「告示改正案に関する意見提出」として、guidelines.bangou@ppc.go.jp宛てに送付します。

意見を具体化する際は、例えば次の点を資料に照らして確認するとよいでしょう。

  • 共通様式を利用できる「その他サイバー攻撃等事案」の範囲が明確か
  • 現行の電子情報処理組織による報告との関係が明確か
  • 官民連携基盤を使う場合の提出先、受付、修正、続報の手順が十分に示されているか
  • 個人情報保護法・番号法に基づく報告と、他の官公署への報告の関係が明確か
  • 2026年10月1日の予定施行に向けた実務上の準備期間や案内が十分か

なお、意見への個別回答は行わないとされています。提出された意見は改正の参考とされ、提出者の氏名等を除いて公表される場合があります。

FAQ

Q1. 今回の案で、個人情報漏えい報告が不要になりますか?

そのような内容は公式資料で確認できません。改正案は、一定のサイバー攻撃等事案について、既存の方法に加えて共通様式を提出する方法を認めるものです。報告義務の有無や個別事案への適用は、根拠法令等と事案の内容を確認する必要があります。

Q2. すべてのサイバー攻撃が共通様式の対象ですか?

資料では、別添様式3は「その他サイバー攻撃等事案(不正アクセス、情報窃取等)」を対象としていますが、すべての事案が対象になるとは記載されていません。具体的な対象範囲は、公式資料で要確認です。

Q3. 施行日は決まっていますか?

改正概要には、施行期日を2026年10月1日と予定すると記載されています。ただし、意見募集の対象は案であり、最終的な内容は変更される可能性があります。

Q4. 意見は電話で提出できますか?

できません。意見募集要領では、電話等による意見は受け付けないとされています。e-Govの意見提出フォーム、郵送、電子メールのいずれかを利用します。

まとめ

今回の意見募集は、サイバー攻撃等に伴う個人データ、保有個人情報、特定個人情報の漏えい等報告について、共通様式を使った報告方法と官民連携基盤の利用を告示上整理する案に関するものです。報告実務の変更を検討する組織は、共通様式、告示案、改正概要、関係省庁申合せ案を確認し、自組織の報告手続との関係を整理する必要があります。

意見提出の政府締切は2026年8月14日23時59分です。最終的な改正内容、施行日、個別の提出先や運用方法は、今後の公式発表を確認してください。